チンパンジーテストのしくみ
番号のついた四角が、盤面のランダムな位置に現れます。最初は4つです。1から順にタップしてください。1をタップした瞬間に、ほかの四角はすべて隠れ、残りは記憶だけで進めることになります。
盤面をクリアすると、次は数字が1つ増えます。まちがえてタップするとミスになり、盤面は同じ大きさで新しい配置に変わります。3回ミスするとテストは終了です。スコアは、クリアできた最大の盤面です。
チンパンジーテストの良いスコアとは
| クリアした最大の数字の数 | 評価 |
|---|---|
| 14以上 | 非常に優秀 |
| 11〜13 | 優秀 |
| 9〜10 | 平均より上 |
| 7〜8 | 平均 |
| 5〜6 | 平均より下 |
| 5未満 | 練習しましょう |
このテストを有名にした研究
2007年、京都大学霊長類研究所の井上紗奈氏と松沢哲郎氏が、学術誌『Current Biology』に短い論文を発表しました。数人のチンパンジーに1から9までの数字を教えたうえで、記憶の課題を与えたものです。数字はタッチスクリーンに散らばって表示され、最初の数字に触れるとすぐに、残りは白い空白の四角に変わりました。チンパンジーは、四角を正しい順に触らなければなりません。
アユムという若いチンパンジーは、これがとても得意でした。課題の2つ目の版では、5つの数字が一瞬だけ表示され、そのあと隠されます。表示時間を約210ミリ秒まで縮めて、画面の上で視線を動かすには短すぎる条件にしても、アユムは試行の約80パーセントで正解しました。同じ課題を受けた大学生は、約40パーセントまで下がりました。
松沢氏は、若いチンパンジーには、場面に対する写真のような記憶に近いものがあるのかもしれず、人間は言語が発達する過程でその能力を手放したのかもしれないと示唆しました。
チンパンジーのほうが賢いということ?
そこまでは言えません。アユムはこの課題を何千回も行っていましたが、学生はほぼ初心者でした。のちの研究者が、人間のボランティアに同じ課題を長く練習させると、アユムと同じ水準の正確さに達した人もいました。したがって、この結果は、一般的な知能よりも、集中的な練習と特化した技能で何ができるかを示しています。
それでも驚くべき発見です。ひと目でパターン全体をつかむという狭い課題では、若いチンパンジーが、一生数字を読んで過ごしてきた大人の人間を上回ったのです。
このテストと実験の違い
京都の実験で最も難しい条件は、見られる時間を制限したものでした。ここでは、1をタップする前に、好きなだけ盤面を調べられます。難しさは、増えていく数字の数から来ます。つまり、瞬間的に写し取る速さではなく、どれだけ多く記憶できるかを試すテストです。
元の実験に近づけたいなら、自分にルールを課してみてください。盤面が出てから2秒以内に1をタップする、というルールです。
高得点のコツ
最初のタップの前によく見る。 時計は動いていません。1から最後の数字までの道筋を、ひとつの経路に感じられるようになるまで、目でたどります。
近くのものをまとめる。 近くにある数字は、ひとつの集まりとして覚えられます。「3と4は左上のペア」のようにです。
経路の形を覚える。 ジグザグ、輪、上を横切る線などです。形は、バラバラの位置の一覧よりも覚えやすいです。
ミスを上手に使う。 ミスをすると、同じ大きさの盤面が作り直されるので、失敗しても、そのレベルの練習になります。